おおきなきがほしい
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いせ ひでこ 作
大好きな植物図鑑が読み込んでボロボロになってしまったソフィー。本の装幀をしてくれるのはルリユールだと聞き、ルリユールおじさんをさがしに行きます。パリの街で探し出したおじさんの仕事場は、本が生まれ変わる場所でした。
おじさんのお父さんもルリユールでした。「魔法の手」をもつ職人の誇りが、「名を残さなくていい。ぼうず、いい手をもて。」の言葉に込められています。素晴らしい仕事をしても、「わたしも魔法の手をもてただろうか。」とおじさんは思います。
大した仕事をしなくても名を残したがる人が多いこの世界。ルリユール父子のこの言葉の清々しさに身が引き締まります。
本好きの友人達に、この本を「読んで♪」と持って行ってます(^^)絵も美しいので、大切な一冊。
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ふくざわ ゆみこ 作
山に冬が近づくある日、りすさんの「ふゆじたくのおみせ」で在庫セールが始まります。大きなセーターは500どんぐり、赤い可愛いチョッキは50どんぐり、籠いっぱいの食べ物は100どんぐり、本のセットは50どんぐり、ふかふかのクッションは70どんぐり・・・森のみんなはそれぞれ欲しい物を買うために、「どんぐり拾ってこなくっちゃ!」と森に走り出します。大きなくまくんは、やまねくんにチョッキを買ってあげるため、小さなやまねくんは、くまくんにセーターを買ってあげるため、どんぐり拾いをがんばります。友達想いのくまくんとやまねくんの、温かい物語。
読み聞かせ子供ウケ度・・・☆☆☆☆☆
冬に向う時期に読んだので、森の動物達と気持ちが寄り添えたのか、じーっと聞き入ってくれました。絵もストーリーもほんわか温かい一冊。
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ポール・スチュワート 作 クリス・リデル 絵 唐沢則幸 訳
崖っぷちにある「崖の国」を舞台にした冒険小説。第8巻での主人公は、トウィッグのお父さん、雲のオオカミことクウィントです。少年時代のクウィントがサンタフラクスの飛空騎士団に入り、寒波に覆われた崖の国をマリスや仲間たちと共に救います。壮大な物語の初期の頃を描いています。第1巻から第7巻までに登場した人物達の若き頃も出てきます。薄明の森で生きながら死んでいた騎士スクリーディウスと愛獣(?)ヴァンクウィクス、泥地で追いはぎをしていたヘムフィックス・ルート、そして、トウィッグの章で最高位学者をしていたヴィルニクス・ポムポルニウス。ヴィルニクスは、若い頃から「頂上に登りつめるのに必要な能力・・・狡猾さ、敵意、裏をかく事、人を欺く技・・・を持っている」と自負していて、その通りになるのですが、マリスのお父さんを除いて、最高位学者は皆そういった人物がなっているようです。権力を握り、私利私欲に走り、弱い者を迫害する姿(現実の権力者も往々にして、こうですね・・・)は、全巻共とても残酷です。8巻はまだ殺伐としたシーンは少ない方か・・・とも思えますが。ともあれ、各巻とりあえず勧善懲悪な1話完結で来ているので、この8巻も、悪に蹂躪されてきりきりしながら読み進むうちに、クウィントや善良な仲間達の怒涛のような活躍で、最後はホッと胸をなでおろす結末が待っていました(^^)次巻はどうなるか?『崖の国』ワールドは一度ハマると抜けられません。
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マーガレット・マーフィー 作 シャーリー・ヒューズ 絵 石井桃子 訳
魔法や不思議がたくさん詰まった短編集。表題作は、チョコレートケーキを作るのが得意な魔法使いのお話。魔法使いとしては優秀でないし、他人と愛想良く交われない、ようは不器用な魔法使いのおじいさんは、子供達にケーキをごちそうしようと招待状を出しますが、誰も来てくれませんでした。りんごの木の苗木や他の木にたっぷりの肥料のケーキをくれながら、何年も経つうちに、立派な森が出来上がり、そこに子供達がやって来て、やっとおじいさんに素敵な友達が出来る・・・というお話。魔法使いが、木に話しかけながら肥料のケーキを一切れ、自分にはチョコレートケーキを一切れ・・・と過ごす時間は優しさに満ちています。他に、善良なサーカス団員が古いメリーゴーラウンドと共にサーカス団を追い払われますが、森の妖精たちの力で世界一のメリーゴーラウンドになる、という『メリー・ゴウ・ラウンド』。自由を愛する針仕事の達人ミドリノハリは、悪い女王と手下たちから逃げています。追手を誤魔化してくれたテディに、お礼に素晴らしい贈り物をしていく『ミドリノハリ』など、8つのお話と2つの詩が収められています。
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ゲイル・E・ヘイリー 作 あしの あき 訳
クレアは酪農場に住む子猫。でもその農家は猫が多すぎて、食べ物が足りません。そろそろ一人立ちする時期だと考え大都会ロンドンへと旅立ちます。都会での野良猫としての生活は夏の間は何とかなりましたが、やがて秋が来て、家の無いクレアには、想像以上に厳しい冬がやって来ます。苦労してやがて居場所と〈女王陛下直属郵便局ねこ〉の役目を手に入れるクレアの物語、「ねこ版オリバー・ツイスト」といった趣です。
クレアの絵は作者の愛猫がモデルでしょうか?作者と愛猫、二人で写した写真が裏表紙に載っていました。1800年代~今日まで、ロンドンの郵便局や博物館では、実際にねずみ対策に猫を局員として採用していて、お手当ても支給されているという、楽しい実話がこの物語の由来だそうです。
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どい かや 作
自転車にのって森の中にお散歩に出掛ける、ちりとちりり。森の中は、きれいな物や美味しい物、楽しい事にあふれています。
愛らしさと楽しさと美味しさがいっぱいの絵本。本屋で見つけて「かわいい♪」と、すぐ買ってしまいました(+o+)。だいたい一旦は帰ってから、悩んでから、買う・・・というのがいつもパターンなのですが・・・(^_^;)ちりとちりりの洋服がそれぞれ赤と青のボタンやポケットだったり、服のデザインも少しちがうので、ぐりとぐらの女の子版のようです。
『ちりとちりり』の本は、『うみのおはなし』『まちのおはなし』『はらっぱのおはなし』と続きます。どの話も美味しいお菓子やらパンやら出て来て、どんな味なのかとわくわくします。(^u^)
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宇都木 美帆 作
なにも出来ない「ぼく」は、自分で自分の事がきらい。勉強が得意なフクロウマスクくん、図工が得意なハムマスクくん、足の速いウママスクくん・・・みんなは優秀だけど、落ちこぼれのぼくにはクラスで居場所なんて無い・・・。
友人に薦められて読んでみました。「自分はこんなだから・・・」と考える、どんどん切なくなる事って、人間ならどんな人にもあるでしょうね。チキンマスクくんに共感します。でも、どんな人も、自分は自分のまま、誰かと交換は出来ません。作者は現役の先生だそうです。教育者らしい、子供に対する温かい気持ちが伝わります。こういう目線をたくさんのひとが持ってくれたらなぁ・・・もういい加減、「勝ち組」とか「負け組」なんて観念が世の中から消えてほしいですね!
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アリソン・アトリー 作 こだまともこ 訳 いたやさとし 絵
『グレイ・ラビットの冒険』のアリソン・アトリーによる小さな童話が6つ入ったお話集。妖精や小人、人の体を離れる影法師など、不思議なかわいらしいお話が揃っています。登場する子供達は、掃除婦や洗濯婦などの貧しい家庭の子供達が多いですが、どの子も元気で、庶民の家庭らしく純朴です。
この本は、翻訳者がイギリスの田舎の教会の裏庭でやっていたガレージセールでたまたま手にとってみたら、アリソン・アトリーの本だった・・・という、それこそ「魔法の力」でもはたらいたのでは・・・?というエピソードがあります。
タイトルには「月あかり」とありますが、お話自体はあまり月とは関係ありません。月あかりの下、子供に読み聞かせ、あるいは大人も読んで下さい・・・というニュアンスでしょうか?
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エルサ・べスコフ 作 石井登志子 訳
ラッセが庭でボールを放り投げると、木の枝の上にボールを持って座っている男の子がいます。楓の葉の冠をかぶったその子の名前は「くがつ」。「くがつ」に案内されて出会うのは、まるすぐりの子供達、あかふさすぐりのおじょうさん、りんごのご婦人、プラムのお嬢さん達、野いちごの母子・・・秋の庭の妖精達が愛らしいです。
エルサ・べスコフはスウェーデンの児童文学作家、絵本作家です。『ラッセのにわで』は大ベストセラー。自分の家の庭がこんなに広くて、果物のなる木や畑があって、ラッセは幸せですね。子供時代は自然の中で遊んでいると、確かに木や花と会話している気持ちになった事ってありますね。
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テリー・ファリッシュ 作 バリー・ルート 絵 村上春樹 訳
テキサスの片田舎で年取っためす猫と暮らすおじいさん。この猫はねずみや魚は捕ったこともなく、好物はおじいさんの作ってくれるポテトスープです。ふたりはいつもおじいさんのピックアップトラックに乗って湖に行き、ボートで魚釣りをします。ボートの舳先が猫の定位置です。ある日、寝坊した猫を残し、おじいさんはひとりで魚釣りに出掛けます。起きたらおじいさんがいないので、猫はひとりでどこかに出掛けてしまいます・・・。
田舎で暮らす、心の通い合った猫とおじいさん。携帯電話やインターネットなんて使わないアナログな生活ですが、シンプルで無駄の無い、豊かな暮らしが淡々と送れています。村上春樹さんのあとがきを読んで、このおじいさんは人嫌い変人ではなく、茶目っ気たっぷりのテキサスっ子であることがわかります。年取った雌猫の様子や性格がよーく描かれています。私も20年以上生きた雌猫を飼ってましたので・・・飼われているのは、人間であったなぁ・・・と、今でもなつかしいです。猫って年をとっても外見は若いまま。年齢と共に気品や貫禄がついて、かわいさもあって逆らえないというか・・・(^_^;)
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ドン・フリーマン 作 まつおか きょうこ 訳
デパートのおもちゃ売り場。お人形やぬいぐるみ達は、だれかが早くやって来て自分をおうちに連れて行ってくれないかなぁと思っています。くまのコールテンくんもそのひとり。ひとりの女の子がコールテンくんを一目見て好きになってくれますが、ママは「つりひものボタンがとれているから」と買わずに行ってしまいます。その夜、コールテンくんはズボンのボタンを探しに、デパートの中を歩き出します。
シンプルなお話ですが、子供とおもちゃの友情が温かく描かれています。最後のページの「ともだちって、きっと君のようなひとだね」の一言が良いです。こう思える人に、一生の内何人出会えるかな?
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ペーン・デュボア 作 松岡 享子 訳
トミー・ナマケンボは、ものぐさで、怠け者。電気仕掛けの家に住み、自分の事は全部機械まかせの生活を送っています。ある日、嵐で電気の供給が止まってしまい・・・。どうなる、トミー!?
「早く起きなさい!」「顔を洗って歯を磨きなさい!」「さっさと服を着なさい!」「とっとと食べなさい!」・・・これは、親が子供にさせる事なので、トミーの親も電気の家にやらせる程のなまけんぼなのか、ハイテクの家に子供を任せて仕事に行っているお金持ちなのか・・・?などという考えは野暮ですね(^_^;)ありえない設定は絵本ならでは。
読み聞かせ子供ウケ度・・・☆☆☆
トミーのなまぐさ度、そして、電気が止まった後にどうなったか・・・ずいぶんと笑いがおこりました。大人なら、トミーのなまぐさぶりに眉をひそめるくらいかも・・・?こんなに受けるとは思っていませんでした。
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マリーズ・ファティオ 文 ロジャー・デュボワザン 絵 江國香織 訳
パリの骨董屋さんに飾られている美しいアンティークドールのお人形は、朝からため息ばかりついています。「一緒に遊べる女の子がいてくれたら」・・・。郵便屋さんの娘のマリーはウィンドーの向こうのお人形を毎日ながめています。やがてお人形はアンティーク好きのご婦人に買われていきます。
ピンクと黄色の色使いだけですが、とても美しい絵本です。きれいなお人形に憧れる女の子の気持ちはわかりますね~。お人形があればもちろん一緒に遊ぶもの。お洋服を作り、おままごとをする・・・幼い日、一緒に遊んでいるうちに汚れてボロくなっていったリカちゃんやお雛様・・・「こんなになっちゃって、持ち主を恨んでるかなぁ・・・」と気にしていましたが、たくさん遊んで喜ばれていたのかな~?と思うと、ちょっとホッとしますね(^^♪
読みきかせ子供ウケ度・・・☆☆☆
女の子は熱心に聞いてくれてましたが、男の子達はなんかピンと来なかったようです。「なんだ~?」といった反応でしたね(-_-;) ・・・かつて女の子だった方々には好評でした。
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アリソン・アトリー 作 マーガレット・テンペスト 絵 石井桃子 中川李枝子 訳
小さい灰色うさぎのグレイ・rラビットは、野うさぎのヘア、りすのスキヘルと一緒に森のはずれの小さな家にすんでいます。働き者のグレイ・ラビットは、なまけものでいばりやのヘアとスキヘルを支え、助けながら、けなげに生きています。人間の畑にニンジンを採りに行き怖い目にあったグレイ・ラビットは、ニンジン畑を自分で作ろうと、森のカシコイ・フクロウに教えを乞いますが、ふくろうは、「教える代償にしっぽをくれ」と言います。しっぽをふくろうにあげてしまうグレイ・ラビット。無事にニンジン畑は作れるか、しっぽをとりもどせるのか、おまけにヘアとスキヘルもイタチに捕まり・・・グレイ・ラビットがんばれ!
まず、こんな連中を身を粉にして支える生活で、あんたはいいのか?と思いながら読み進む内に、様々な出来事があり、ヘアとスキヘルもさずがに反省し、随分と家の用事をしてくれるようになります。身近でも、家庭のこういう話はあるでしょう。外に出たグレイ・ラビットが、月夜の晩に自由をかみしめて宙返りをしたり、黄色い小鳥の種をまいて小鳥がたくさん生まれてくるところを空想して嬉しくなったりする場面はぐっと共感出来ます(^_^)脇役で出て来る、もぐらさんやはりねずみも好感が持てます。はりねずみのファジー坊やが誕生日に貰う「ツチボタルのランプ」・・・美しいでしょうね。でも、現実のツチボタルというと、地中のトンネルで不気味な光るすだれを使って虫を捕食する・・・『へんないきもの』に出ていましたね(-_-;)
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