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2008年4月

2008年4月26日 (土)

鹿よ おれの兄弟よ

神沢 利子 作  G.D.  パヴリーシン 絵P3100001

シベリアの森の奥で鹿を糧に生きる猟師の話。絵が美しく、緻密です。読み始めると、秋のシベリアの森の中に自分も入り込み、猟師と一緒に小舟に乗り、シベリアの澄んだ空気の中、川を進んで行く気がします。
浪費や無駄など無く、人も動物も木々も同じ森の生き物として長い年月共に生きている・・・心洗われる一冊です。

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2008年4月 3日 (木)

ウェン王子とトラ

チェン・ジャンホン 作  平岡 敦 訳P4020088
人間に子供達を殺された母親トラは、村を襲うようになります。王様は占い師にどうしたら良いか聞くと、王子をトラに差し出すように言われます。幼い王子は一人森に入り、トラと出会います。
憎しみに我を忘れても、幼い子供を愛するおかあさんの気持ちを忘れなかった母親トラ。優しくたくましく育ったウェン王子。たくさんの人に伝えたい本です。

ドイツ児童図書賞受賞作

読み聞かせ子供ウケ度・・・・・☆☆☆☆☆

「ちょっと難しいかも・・・」と思っていたのですが、深い内容でも字数が少なく、読みやすかったし、集中して聞いていて「すげぇ」「あのトラ、えらい」といった子供達のつぶやきも多く、読んだ充実感が大きかったです。

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クロニクル 千古の闇

ミシェル・ペイヴァー 作 さくま ゆみこ 訳 酒井駒子 絵P3260070
紀元前4000年のヨーロッパが舞台。オオカミ族の少年トラクの冒険は3巻目、『魂食らい』に入りました。弟分のオオカミのウルフ、友達の女の子レンと共に、1巻でお父さんを殺した恐ろしい魔道師〈魂食らい〉達と対峙します。ウルフをさらわれたトラクとレンは、北へ北へと誘拐者を追跡し、極北の地に足を踏み入れます。3巻でだんだん正体を現してきた〈魂食らい〉、世界を自分達の支配下に置くため、動物達を生贄にして悪霊を呼び出します。
次巻はどんな展開になるか、「精霊わたり」の能力が知られてしまったトラクはこの先どんな戦いをしていくのか、また楽しみです。

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おたすけこびと

なかがわ ちひろ 文 ヨコセ・ジュンジ 絵P4020096
お父さんとお母さんと男の子がお出掛けしているお家で、おたすけこびとの仕事が始まります。卵にバター、小麦粉、砂糖、ふくらし粉・・・こびと達が重機を駆使して作るのは、いったい何でしょうか?

読み聞かせ子供ウケ度・・・・・☆☆☆☆☆

何ができるか、わくわくしながら聞いてくれたようです。「はたらく車」が好きな子も楽しそうに見つめていました。最後はみんなの大好きなものが出来て、うれしそうな顔をしていました☆こびとさん一人一人、表情豊かでかわいいなぁ。どのページにも出てくる、いつもコタンとつまずいているとろくてドジなこびとさん(緑の帽子と靴、赤い服)がお気に入りです。

現実では、哺乳類は体の体積が小さいほど、エネルギーを体に蓄えておくことが出来ず、「こびと」の存在はありえないのだそうです。一例を挙げれば、体重10グラムで昆虫並みのサイズしかない「トガリネズミ」は、体熱をまかなうため食べ続けているそうです。食事を3時間しないと死んでしまうとか。「こびとさん」や「コロボックル」が、どこかにいるのではないか・・・という願いも現実の前では厳しいなぁ(-_-;)P4020098

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トマトさん

田中 清代 作P4020089
ある夏の昼下がり。トマトの木から「トマトさん」がどった、と落ちました。泳ぎに行きたいけど、身動きできずにぽろぽろ涙を流すトマトさん。虫たち、みみずたち、とかげたち、亀さんが力を合わせて、いよいよトマトさんは川へと転がっていきます!
トマトさんの表情、目付きがまぶたの裏に残ってしまい、気になって、ついこの本を開いてしまいます。川で泳いでひえひえになったトマトさん、暑~い夏の日、ガブリと食べたら美味しいでしょうねぇ~~(^v^)

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あらしのひ

シャーロット・ゾロトウ 作 マーガレット・ブロイ・グレアム 絵 まつい るりこ 訳P4020091
暑い暑い夏の日、熱気によどんだ静けさに包まれた田舎。やがて空が灰色になり、嵐が近づいてきます。男の子は慌てて家の中に走って帰ります。嵐は山にも街にも海辺にも牧場にもやってきます。
嵐がやってきて、去っていくまでを淡々と描いた美しい作品。子供と母とで夜、布団の中で読みたい絵本です。

カルデコット・オナー賞受賞作P4020090

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ねこたちの夜

ブルース・イングマン 作 江國 香織 訳P4020095
飼い主のマーサが寝ると、「ぼく」はこっそり抜け出す。スクーターに乗って、キャット・アカデミーまでぶっとばす。ファッション、建築、ロケットや潜水艦の設計図まで、授業で学ぶことが目白押し。それからレストランで食事したり、ガールフレンドとデートしたり、夜の猫は忙しい。

ネコの充実したキャンパスライフが描かれています。「あんたは1日中ゴロゴロしていていいね~」なんて言っていると、「オレのことを何も知らないのんきな主人だ」と思われそうです。ネコは確かに「何でもお見通し」という賢い目付きで人を見ている時があり、ドキッとします。

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ロサリンドとこじか

エルサ・べスコフ 作  石井登志子 訳P4020092
ロサリンドとこじかは仲良し。菩提樹の下で休んでいると、猟師が銃を撃ってきて、音にびっくりしたこじかはどこかへ逃げてしまいます。お城の王様に見つかって金の檻に入れらてしまったこじか。猟師が探しに来て、ロサリンドに知らせます。でも助けに来たロサリンドまで、牢屋に入れられてしまいます。
べスコフらしい、可愛らしい絵本です。

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ペッテルとロッタのぼうけん

エルサ・べスコフ 作 ひしき あきらこ 訳P4020094
お家に子猫が3匹生まれて、ペッテルとロッタは貰い手を探します。クリスティンおばあさんに子猫をあげに行って、無事に貰ってもらったのはいいけれど、帰り道は思わぬことになり、どんどんお家が遠くなってゆきます。道を間違え、服を持っていかれ、サーカスに出る二人・・・やっとあおおじさん、みどりおばさん、ちゃいろおばさん、むらさきおばさんに発見されます。
子供らしい浅はかさで、どんどんとんでもない事になる兄妹。『3人のおばさん』シリーズの1冊です。P4020093

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のうさぎのフルー

リダ・フォシェ 作 フェドール・ロジャンコフスキー 絵 石井桃子 大村百合子 訳P3260076
のうさぎのフルーは一人きりで生きています。お父さんはきつねに、妹はふくろうに食べられて、お母さんは4週間お乳を飲ませてから、どこかに行きました。それが、野うさぎの決まりなのです。フルーの周りは楽しい事も危険もいっぱい。ある朝、からすに追われた女の子の野うさぎ、キャプシーヌを助け、二匹は一緒に住み始めます。ところが、秋が来て、畑は作物がなくなり、おまけに猟犬を連れた猟師が森にやってきます・・・。

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かわせみのマルタン

リダ・フォシェ 作 フェドール・ロジャンコフスキー 絵 石井桃子 大村百合子 訳P3260075
人里を離れた、豊かに流れる川に様々な生き物が暮らす楽園に、空よりも青く、絹よりもつややかな鳥━かわせみがやって来ました。マルタンという名のかわせみは、たちまち楽園の王様になります。マルチーヌというかわいいお嫁さんも来て、巣を作り、子供達を育てます。ある日、悲しいことに、マルタンは病気になります・・・。

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くものすおやぶんとりものちょう

秋山 あゆ子 作P3260072
虫大江戸は春爛漫。桜の花の真っ盛り。くものす親分こと鬼蜘蛛のあみぞうと、蝿捕りのぴょんきちは街の平和のために今日も見廻り。春祭りの前日、お菓子の大店、蟻の「ありがたや」に「かくればね」という盗人からの犯行予告状が来た。おやぶんとぴょんきちが蔵を蜘蛛の糸で包んで、夜見張っていると、夜空に不気味な雲があらわれて・・・。

作者は虫を題材にした漫画をたくさん描いている方だそうで、愛嬌ある虫達がたっぷり活躍する、面白い話です。盗賊が狙うのは、千両箱ではなく、蔵の中の甘~いお菓子♪怪盗達、悪いことをしても島送りにならずに良かったね!

読み聞かせ子供ウケ度・・・・・☆☆☆☆

虫たちが着物を着て江戸時代を生きているのが、とても面白かったようです。怪盗「かくればね」は何の虫か、意見が分かれました。ワタシは「蛾じゃないかなぁ~」と思っております。

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もものき なしのき プラムのき

ジャネットとアラン・アールバーグ 作 佐藤涼子 訳P3260071
マザー・グースや昔話に出てくるおなじみのあの人たちがどのページにも出てきます。ハバードおばさん、シンデレラ、ボー・ピープちゃん、三匹のくま、ジャックとジル、ロビン・フッド・・・さいごはみんなそろってプラム・パイをいただきます(^v^)
プラムパイは、パイ生地の中にプラムを甘く煮詰めらフィリングを詰めて焼くのでしょうか?果物の木の下で、おやゆびトムやら魔女やらみんないっしょくたになってパイをほおばる姿、いいですね~(*^v^*)

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かじってみたいな、お月さま

フランク・アッシュ 作 山口 文生 訳P3260073
夏の夜、くまくんとコトリが月を見ています。くまくんが「お月さまをぱくっとかじってみたい」と言い出して、まず、スプーンをつけた矢でお月様を射ってみますが、失敗。そこで二人は月に行くロケットを作ります。寒い冬が来る前にコトリは南へ旅立ちますが、くまくんは一人でロケットを完成させます。さて、乗り込んだは良いのですが、そこでぐっすり眠ってしまったくまくん。無事に月まで行って、お月様の味見は出来るのでしょうか?

ロケットに乗り込んだとたん冬眠に入ってグーグー寝込んでしまうくまくんは、マヌケだけどおおらかで、何ともいえず良いです。

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きみとぼくのねこのほん

トミー・デ・パオラ 作 もりしたみねこ 訳P3260074
パトリックが見つけた「子ネコあげます」の看板。トウィンクルおばあちゃんの家には、シャム猫、マンクス、ペルシャ猫、レックス、アメリカンショートヘアー、バーミーズ、ヒマラヤン、ロシアンブルー、野良猫、デブ猫、農場猫・・・いろんな猫がいました。おばあちゃんは、古代エジプトの猫の話や中世ヨーロッパでの猫達、ビクトリア女王の時代まで、猫の歴史を話してくれます。どうやって飼ったらよいかも教えてくれたので、パトリックはしっかり「ネコ博士」になったのでした。

作者はもちろんネコ好き!トウィンクルおばあちゃんのようにありとあらゆる種類の猫達に囲まれて暮らしてみたいなぁ(^^)♪

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2008年4月 1日 (火)

そりあそび

さとう わきこ 作P3160029
雪の降る日、ばばばあちゃんは家の中で編み物をしています。外から帰ってきた動物達はストーブにまっしぐら。「いい若いもんがだらしない!」とばばばあちゃんはベッドをトランポリンにして、みんなで遊びだしました。すると、ベッドの足が折れてしまいます。ばばばあちゃんは、ちょっと考えて、ベッドをそりに改造します。さあ、豪快なそりあそびのはじまりです。

読み聞かせ子供ウケ度・・・・・☆☆☆☆

そりで山の頂上からふもとまで一気に滑り降りるなんて、さぞ気持ち良いでしょう。子供達もあこがれが顔に出ていました。ばばばあちゃん、元気だなぁ。最後のお昼寝もまねしてみたい!P3160028

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