ああ、たいくつだ!
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キャロル・ウィルキンソン 作 もき かずこ 訳 町田尚子 絵
古代中国が舞台の冒険ファンタジー。長安から遠く離れた帝国のはずれ。自分の名も年齢も知らない奴隷の少女は、酷薄な主人(宮廷の龍守り。酒におぼれ、龍の世話を投げ出している。)にこき使われています。龍の世話をしているうちに、龍の言葉を理解出来る事に気づきます。龍を嫌う皇帝が、野卑で残酷な龍狩り(ドラゴンハンター)に龍を売り渡す事を知り、龍を逃がそうとしますが、「妖術使い」と呼ばれ、宮廷とドラゴンハンターに追われる羽目になります。龍は少女に心を開き、生きる知恵を授け、二人は友情で結ばれてゆきます。
『小さな犬』の町田尚子さんの挿絵に惹きつけられ借りてみました。読み出したらのめり込んで、深夜まで読みふけりました。次の朝のお弁当作りと仕事がしっかりありましたが、自分の感性にピタッとはまる本に巡り合えた充実感で、気持ちは生き生き。
読み進むうちに、物語の設定は始皇帝の焚書坑儒から約70年後、前漢の時代だとわかります。少年時代の武帝も登場し、ドラゴンが主人公の空想小説が人間臭さを帯びて展開していきます。奴隷生活しか知らず、逃げ出す気力も知恵も無かった少女が、どんどん強くなっていく様はとてもまぶしいですし、誰にも頼らずに生きていく、幼い龍を育てていく最後の姿は涙が出ます。
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メアリー・リン・レイ 作 バーバラ・クーニー 絵 掛川恭子 訳
山間の小さな集落に住む男の子。父さんは木を切り、丸太を細く薄いリボンにして籠を編み、満月の日に街に売りに行きます。籠作りを覚えるようになると、父さんはやっと街へのお供で男の子を連れていってくれます。街にはいろいろな商品が溢れ、山で育った男の子は目を丸くします。でも、街の人達は自分達を「山ざる」と呼び、自分達が作った籠をばかにしていると知り、男の子は荒れた心で家に帰って来ます。
男の子が父さんと行く街は、ニューヨーク州のハドソン。今から100年以上前、ハドソンから程近いコロンビア郡の山間部に、籠を編みそれを売って暮らしを立てている人々がいました。街の人々は山に住む人達を「得体の知れない」人達として見ており、子供達は近づかないように言われていたそうです。芸術品のような籠を編むその人達のルーツや歴史は誰も知らず、籠を作る文化も今では絶えてしまったそうです。
他人のあざけりや見下す心に負けず、自分の仕事を黙々と続けていた人達が、いつまでも使える頑丈な籠を残した・・・というお話です。「風から学んだ言葉を、音にしてうたいあげる人がいる。詩をつくる人もいる。風はおれ達に籠を作る事を教えてくれたんだ。風は見ている。誰を信用出来るか、ちゃんと知っているんだ。」というビッグ・ジョーの言葉が胸を打ちます。バーバラ・クーニーの最後の絵本。
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バーバラ・クーニー 作 かけがわ やすこ 訳
アメリカ合衆国の北、大西洋岸には、美しい入り江と小さな島がいくつもあります。そんな小さな島のひとつにティベッツ一家が移り住んできます。家も井戸も畑もみんな父さんが作り、母さんはたくさん子供を産み、男の子6人女の子6人の大所帯となります。賑やかで楽しい時はゆったりと過ぎて行きます。赤ちゃんだった末っ子のマサイスもだんだん大きくなり、お兄さん達にくっついて、畑仕事をしたり木を切ったり、魚をとりに行きます。たまご岩ではカモメの雛を拾って、育てます。成長した兄弟はやがて大きな船で遠くの海までまわり、マサイスは幸せな結婚をします。いろいろな所を航海しても、生まれ育った島が一番素晴らしいところであると思うマサイスは、島で家庭を持ちます。
ティベッツ島で暮らす4世代に渡る家族と海の物語。美しい島は、豊かで幸福な人生を過ごしたマサイスそのものに見えます。
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ハンス・フィッシャー 作 おおつか ゆうぞう 訳
森のそばのリゼッテおばあちゃんの家には、たくさんの動物がいっぱい。おばあちゃんが可愛がってくれるのでみんな幸せです。二匹の猫たちマウリとルリ、犬のベロはちゃんと家の仕事もお手伝いしているので、家の中で暮らしています。おばあちゃんの76歳のお誕生日、留守の間に動物達みんなで、大~きなケーキを作ります。そして、一番嬉しいプレゼントは、屋根裏部屋にいる生まれたばかりの3匹の子猫!
『こねこのぴっち』に続いていくお話があったなんて知らなかったので、見つけて大喜びです。卵を36個も使い大きなクグロフ型で作ったケーキに目がくぎ付け(^u^)!林檎とろうそくで飾りつけたゴージャスなケーキ・・・リゼッテおばあちゃんとみんなで切り分けて食べたのでしょうか?ぴっちの快気祝いに大~きなケーキが出てきたのも、こうした「このおうちの前例」があったからなのか~と納得。こんな温かいおうちで育つ子猫たちは幸せです(^v^)
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ヴァージニア・カール 作 灰島かり 訳
〈公爵夫人と13人のおひめさま〉シリーズの一冊。
公爵夫人は夫と13人のおひめさまのためにケーキを焼こう!と思いつきます。気合を入れて作ってみたら、ケーキはどんどんどんどん膨らんで、公爵夫人を乗せたまま雲のように、高く高くそびえたっていきます。王様、お后様、将軍、軍隊までやって来て、このそびえたつケーキを何とかしようとしますが・・・。
1950年代~1960年代にかけて活躍したアメリカの絵本作家の作品。愛らしい絵とユニーク(非常識?)な登場人物達が活躍する、楽しいお話でした(^_-)-☆巨大なふわふわケーキ、全員総出で食べて何とかしようとする場面では、「参加したい!」と切に思ったのでした!!
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