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2008年5月

2008年5月10日 (土)

ああ、たいくつだ!

ピーター・スピアー 作 松川真弓 訳P4210001
「たいくつだなぁ」と暇をもてあましている兄弟。お母さんから「外に出てなんかしなさいよ!」と言われて納屋に行き、見つけたのは大きなプロペラ。何やらピーンと閃いて、早速作り始めたのは、なんと飛行機!家中から材料をかきあつめ、どんどん組み立てて、ついに立派な飛行機の出来上がり!

読み聞かせ子供ウケ度・・・☆☆☆☆

どんどん飛行機が出来上がっていくにつれ、「すげー」「家を壊していく。ひでー」と目を丸くしていく子供達。すごい行動力だ・・・と、こちらも読みながら関心。子供部屋の遊び道具の山を前に「たいくつだなぁ」とのたまう兄弟、君達今度は宇宙を目指すんだよ!

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おばけでんしゃ

内田麟太郎 文 西村繁男 絵P4210004
おばけに妖怪、へんてこりんなやつらを乗せて、おばけでんしゃは出発します。がたたん・・・がたたん・・・がたたん・・・「くらやみえき」「さむざむえき」「任限えき」などに停車します。

読み聞かせ子供ウケ度・・・☆☆☆☆☆
電車に乗るおばけたちはみーんなとっても楽しそう。電車の旅を堪能しているようです。車窓に映るあんな奴ら、こんな奴らも見ていて楽しい!!この電車、乗りたいなぁ。
がたたん、がたたん、とリズム良く読みました。どのページでも笑い声や、「○○発見!」「なんだこの雪ダルマ~」等々の声が上がり、盛り上がりました(^v^)

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つきあかりのにわで サマータイムソング

アイリーン・ハース 作 わたなべしげお 訳P5050040

夏の夜、ルーシーに届いた誕生日パーティーの招待状と魔法の帽子。帽子を被って月明かりを浴びたら、ちいさくちいさくなりました。小鳥や虫、小動物達の世界で、草に埋もれた着物姿の古いお人形と出会ったルーシー。一緒にふくろうの誕生日パーティーに出席します。魔法をといておばあちゃんにお人形を渡すと、それは、おばあちゃんが少女だった頃に失くしてしまった大事なお人形だったのでした。

幻想的な『真夏の夜の夢』のお話。

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ドラゴンキーパー 最後の宮廷龍

キャロル・ウィルキンソン 作 もき かずこ 訳 町田尚子 絵P4210003
古代中国が舞台の冒険ファンタジー。長安から遠く離れた帝国のはずれ。自分の名も年齢も知らない奴隷の少女は、酷薄な主人(宮廷の龍守り。酒におぼれ、龍の世話を投げ出している。)にこき使われています。龍の世話をしているうちに、龍の言葉を理解出来る事に気づきます。龍を嫌う皇帝が、野卑で残酷な龍狩り(ドラゴンハンター)に龍を売り渡す事を知り、龍を逃がそうとしますが、「妖術使い」と呼ばれ、宮廷とドラゴンハンターに追われる羽目になります。龍は少女に心を開き、生きる知恵を授け、二人は友情で結ばれてゆきます。

『小さな犬』の町田尚子さんの挿絵に惹きつけられ借りてみました。読み出したらのめり込んで、深夜まで読みふけりました。次の朝のお弁当作りと仕事がしっかりありましたが、自分の感性にピタッとはまる本に巡り合えた充実感で、気持ちは生き生き。
読み進むうちに、物語の設定は始皇帝の焚書坑儒から約70年後、前漢の時代だとわかります。少年時代の武帝も登場し、ドラゴンが主人公の空想小説が人間臭さを帯びて展開していきます。奴隷生活しか知らず、逃げ出す気力も知恵も無かった少女が、どんどん強くなっていく様はとてもまぶしいですし、誰にも頼らずに生きていく、幼い龍を育てていく最後の姿は涙が出ます。

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満月をまって

メアリー・リン・レイ 作 バーバラ・クーニー 絵 掛川恭子 訳P4210009

山間の小さな集落に住む男の子。父さんは木を切り、丸太を細く薄いリボンにして籠を編み、満月の日に街に売りに行きます。籠作りを覚えるようになると、父さんはやっと街へのお供で男の子を連れていってくれます。街にはいろいろな商品が溢れ、山で育った男の子は目を丸くします。でも、街の人達は自分達を「山ざる」と呼び、自分達が作った籠をばかにしていると知り、男の子は荒れた心で家に帰って来ます。

男の子が父さんと行く街は、ニューヨーク州のハドソン。今から100年以上前、ハドソンから程近いコロンビア郡の山間部に、籠を編みそれを売って暮らしを立てている人々がいました。街の人々は山に住む人達を「得体の知れない」人達として見ており、子供達は近づかないように言われていたそうです。芸術品のような籠を編むその人達のルーツや歴史は誰も知らず、籠を作る文化も今では絶えてしまったそうです。
他人のあざけりや見下す心に負けず、自分の仕事を黙々と続けていた人達が、いつまでも使える頑丈な籠を残した・・・というお話です。「風から学んだ言葉を、音にしてうたいあげる人がいる。詩をつくる人もいる。風はおれ達に籠を作る事を教えてくれたんだ。風は見ている。誰を信用出来るか、ちゃんと知っているんだ。」というビッグ・ジョーの言葉が胸を打ちます。バーバラ・クーニーの最後の絵本。

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ぼくの島

バーバラ・クーニー 作  かけがわ やすこ 訳P4210006
アメリカ合衆国の北、大西洋岸には、美しい入り江と小さな島がいくつもあります。そんな小さな島のひとつにティベッツ一家が移り住んできます。家も井戸も畑もみんな父さんが作り、母さんはたくさん子供を産み、男の子6人女の子6人の大所帯となります。賑やかで楽しい時はゆったりと過ぎて行きます。赤ちゃんだった末っ子のマサイスもだんだん大きくなり、お兄さん達にくっついて、畑仕事をしたり木を切ったり、魚をとりに行きます。たまご岩ではカモメの雛を拾って、育てます。成長した兄弟はやがて大きな船で遠くの海までまわり、マサイスは幸せな結婚をします。いろいろな所を航海しても、生まれ育った島が一番素晴らしいところであると思うマサイスは、島で家庭を持ちます。

ティベッツ島で暮らす4世代に渡る家族と海の物語。美しい島は、豊かで幸福な人生を過ごしたマサイスそのものに見えます。

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たんじょうび

ハンス・フィッシャー 作 おおつか ゆうぞう 訳P4210005
森のそばのリゼッテおばあちゃんの家には、たくさんの動物がいっぱい。おばあちゃんが可愛がってくれるのでみんな幸せです。二匹の猫たちマウリとルリ、犬のベロはちゃんと家の仕事もお手伝いしているので、家の中で暮らしています。おばあちゃんの76歳のお誕生日、留守の間に動物達みんなで、大~きなケーキを作ります。そして、一番嬉しいプレゼントは、屋根裏部屋にいる生まれたばかりの3匹の子猫!

『こねこのぴっち』に続いていくお話があったなんて知らなかったので、見つけて大喜びです。卵を36個も使い大きなクグロフ型で作ったケーキに目がくぎ付け(^u^)!林檎とろうそくで飾りつけたゴージャスなケーキ・・・リゼッテおばあちゃんとみんなで切り分けて食べたのでしょうか?ぴっちの快気祝いに大~きなケーキが出てきたのも、こうした「このおうちの前例」があったからなのか~と納得。こんな温かいおうちで育つ子猫たちは幸せです(^v^)

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まちがいペンギン

ジャン-リュック・クードレイ 文 フィリップ・クードレイ 絵 大沢類 訳P5050046
ペンギンって、こんな奴ら。漫画風に描かれた生活感あふれる姿は、ふてぶてしいというか、たくましいです。見たことのある絵柄だと思ったら、『まちがいネコ』の作者でした。こちらも楽しめました。

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モーツァルトくん、あ・そ・ぼ!

ピーター・シス 作 きむらみか 訳P5050035
『プラハの3つの鍵』での緻密で幻想的で不気味で・・・の絵の作者がどんなモーツァルトを描いたのか、気になって読んでみました。きっとこういう子供時代で、生涯ずーーっと変わらなかったのでしょう。モーツァルト。生まれつきの天才で作曲家になった人は多いけれど、彼は「神童」だったのでしょうね。

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もりのなか

マリー・ホール・エッツ 作 まさきるりこ 訳P5050039
小さな男の子が森へさんぽに行くと、そこにはらいおん、ぞう、くま、かんがるー、他にもいろいろな動物がいて、みんなと一緒にあそびます。

「また もりへ」

「もりのなか」と同じく深い森へと誘われた男の子。動物達はそれぞれ得意なことを披露します。男の子が出来るのは、ただ笑うこと。でも一番になったのは、男の子。

最後に登場するお父さんの「お前みたいに笑ってられたらどんなにいいか」の一言に、笑って暮らせる子供時代の幸せを思い巡らせました。

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すてきな子どもたち

アリス・マクレラン 文 バーバラ・クーニー 絵 きたむらたろう 訳P5050037
アリゾナ州の片田舎のちいさな町。子ども達の遊び場は、「ロクサボクセン」と呼ばれる小さな丘です。自分の家を作ったり、お店屋さんごっこ、ままごと、戦争ごっこ、石やがらくたでいくらでも遊べる、子供時代の秘密基地でした。
そこで遊んだ子供たちは、何十年たっても、ロクサボクセンの事を忘れなかったし、おばあさんになった女の子はそこで自分が作った家の跡を見つけました。

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エミリー

マイケル・ビダード 文 バーバラ・クーニー 絵 掛川恭子 訳P4210008
少女の家族が引っ越してきた家の向かいには黄色い家があって、「なぞの女性」と呼ばれる女の人と妹が住んでいます。その人は20年以上も家から出たことがないというのです。お母さんのピアノが気に入ったようで、少女とお母さんは黄色い家に招かれます。ピアノを弾くお母さん。少女がそっと階段をあがっていくと、白い服を着た女の人「エミリー」が小さな椅子に座っていました・・・。
実在の詩人、エミリー・ディキンソン(1830~1886)と少女の交流を描いた、バーバラ・クー二ーの挿絵がとても美しい本です。  

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ピーターのとおいみち

リー・キングマン 文 バーバラ・クーニー 絵 三木卓 訳P5050036
森の中に住むピーターは、家の犬やネコ、ひつじにアヒルと毎日遊びます。5つになったら村の学校に通っていいというとお母さんに言われて、早く同じ年くらいの友達がほしいペーターは、誕生日の次の日、そーっと学校を目指して森を抜けます。
家で、森で、たくさんの愛情と友情に囲まれていたピーターのお話。

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公爵夫人のふわふわケーキ

ヴァージニア・カール 作  灰島かり 訳P4210002
〈公爵夫人と13人のおひめさま〉シリーズの一冊。
公爵夫人は夫と13人のおひめさまのためにケーキを焼こう!と思いつきます。気合を入れて作ってみたら、ケーキはどんどんどんどん膨らんで、公爵夫人を乗せたまま雲のように、高く高くそびえたっていきます。王様、お后様、将軍、軍隊までやって来て、このそびえたつケーキを何とかしようとしますが・・・。
1950年代~1960年代にかけて活躍したアメリカの絵本作家の作品。愛らしい絵とユニーク(非常識?)な登場人物達が活躍する、楽しいお話でした(^_-)-☆巨大なふわふわケーキ、全員総出で食べて何とかしようとする場面では、「参加したい!」と切に思ったのでした!!

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はらぺこゆうれい

せな けいこ 作P5050038
ガリガリにやせたゆうれい。太った友達ゆうれいに「人間を脅かして、お供えをもらうんだ」と知恵を授かります。でも何だか思い通りにいかなくて・・・。

中国の「幽明録」という本からイメージをふくらませたそうです。

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マトリョーシカちゃん

加古里子 作 ヴェ・ヴィクトロフ/イ・ベロポーリスカヤ 原案P4210007
お人形のマトリョーシカちゃんは、おうちにお客さんを呼ぶことにしました。「みちをとおるみなさん、わたしのところにあそびにきてください。ドナーシャもクラーシャもダーシャもまっています。」と紙に書いて貼り出すと、やって来たのはユラユラ人形のイワンちゃん、ドングリ人形のイリューシャちゃん、おしゃれ人形のアンドリューシャちゃん、馬車を運転するぺトリューシャでした。マトリョーシカちゃんの中からつぎつぎと可愛らしいドナーシャ、クラーシャ、ダーシャが現れて、踊ったり歌ったりおしゃべりしたり、みんなで楽しい時を過ごします。

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