男の子の絵本

2009年2月14日 (土)

おにまるのヘリコプター

きしだえりこ 作  ほりうちせいいち 絵Pb170425
ちいさなヘリコプターに乗って、鬼の子おにまるがやってきました。牧場で「このこやぎ、もらっていくよ」、お菓子屋さんで「このあめ、もらっていくよ」、デパートで「この三輪車、もらっていくよ」・・・雲の上の自分の家に持ち帰ります。でもなにをしても、すぐに飽きてしまいます。

読み聞かせ子供ウケ度・・・・・☆☆☆☆☆

「ダメ~」「こんなことしちゃ、いけないんだよ~」「どろぼうだぁ~」「拉致だ~」と、子供達の反応が楽しかった。最後はかみなりの父ちゃん(ラムちゃんのパパ風か、かみなりちゃんのお父さんみたいな・・・を想像してました)が出てきて、おにまるをポカリ!・・・な展開を予想していましたが、女の子を乗せて(さらって)「いろんなことしてあそぼうね」というオチでした。

聞き手の子供達も最後まで口をあけたまんまでしたが、ある意味絵本ならではの、「突っ込みどころ満載」で、読み手も新鮮でした。

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2008年11月10日 (月)

せかいにパーレただひとり

イエンス・シールダース 作 アルネ・ウンガーマン 絵 山野邊五十鈴 訳Pa080137
ある朝目を覚ますと、パーレの周りにはだーれもいません。世界にひとりだけになってしまったのです。お菓子屋や果物屋で好きなだけ食べ、バスや消防車を勝手に運転し・・・好きな事をしても、やがて何をしてもつまらなくなってしまいます。

子供時代に読んだ本を見つけて、久しぶりに手にとりました。「せかいにひとりだけなんて、うらやましい」→(読み進むうちに・・・)「こんな風にひとりぼっちじゃ、つまらない」と、小学生の頃確か思った記憶があります。大人になって、人間関係に疲れた時にもふっと思い出して、「パーレみたいに一人になりたい!」と、思ったものでした。現実にひとりだけになったら、きっと(こんないい歳になっていても)パーレと同じ行動をするだろうな~・・・と思います(^_^;)

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太陽へとぶ矢 インディアンにつたわるおはなし

ジェラルド・マクダーモット 作 じんぐうてるお 訳Pa080138
太陽の神と人間の娘との間に生まれた男の子。「親なし子」と村でいじめられ、お父さんを探す旅にでます。矢作りの老人と出会い、太陽へ飛ぶ矢で天に行きますが、そこでは「太陽の神の子」であることを証明するために、過酷な試練が待っていました。

「オレの子だったらこのくらい出来て当たり前」と、子供にいろんな事をさせるこの太陽は、人間だったらさぞや教育パパであったろうなぁ・・・と思いながら読みました。古今東西、こういう親はいるんだな~(-"-)

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だいちゃんとうみ

太田 大八 作・絵Pa080140
大正生まれの作者が幼児に過ごした、親戚の家での夏の一日を描いた名作。
宝物のような夏の一日。絵も文章も美しく、心に残る本です。

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ふつうに学校にいくふつうの日

コリン・マクノートン 文  きたむら さとし   柴田 元幸 訳P7110102
ふつうに学校にいくふつうの日、ふつうの男の子はふつうの夢からさめて、ふつうのベッドから出て、ふつうのおしっこをして、ふつうに顔を洗って・・・
「ふつうの」が延々と続くページをめくっていくと、やがてふつうじゃない教師が登場して、ふつうじゃない授業になり、その日は男の子にとって特別な日になります。

読み聞かせ子供ウケ度・・・☆☆☆☆☆

「ふつう」のフレーズが延々を続くのが斬新だったようで、じーーっと注目して聞いてくれました。途中から「ふつうじゃなくなって、これからどうなるの??」といった子供達の期待感も読んでいてひしひし伝わってきました。そのクラスではこの本を知らない子ばかりでしたので、新鮮だったそうです。 

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ぼくがラーメンたべてるとき

長谷川 義史 作P7110099
「ぼく」がラーメンを食べている、その同じ時間に、テレビを見ている子もいれば、卵を割る子もいる、バイオリンを弾いている子もいれば野球している子もいる。で、となりの国では自転車に乗る子、水を汲む子、パンを売る子、倒れている子・・・同じ時間でも、場所がかわるにつれ、どんどん過酷な状況の子供達が出てきます。
風のように飛んでいけたら、倒れているこの子を助け起こせるな・・・幸せにラーメンを食べている「ぼく」がどこでも当たり前な世界になりますように。

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2008年5月10日 (土)

ああ、たいくつだ!

ピーター・スピアー 作 松川真弓 訳P4210001
「たいくつだなぁ」と暇をもてあましている兄弟。お母さんから「外に出てなんかしなさいよ!」と言われて納屋に行き、見つけたのは大きなプロペラ。何やらピーンと閃いて、早速作り始めたのは、なんと飛行機!家中から材料をかきあつめ、どんどん組み立てて、ついに立派な飛行機の出来上がり!

読み聞かせ子供ウケ度・・・☆☆☆☆

どんどん飛行機が出来上がっていくにつれ、「すげー」「家を壊していく。ひでー」と目を丸くしていく子供達。すごい行動力だ・・・と、こちらも読みながら関心。子供部屋の遊び道具の山を前に「たいくつだなぁ」とのたまう兄弟、君達今度は宇宙を目指すんだよ!

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満月をまって

メアリー・リン・レイ 作 バーバラ・クーニー 絵 掛川恭子 訳P4210009

山間の小さな集落に住む男の子。父さんは木を切り、丸太を細く薄いリボンにして籠を編み、満月の日に街に売りに行きます。籠作りを覚えるようになると、父さんはやっと街へのお供で男の子を連れていってくれます。街にはいろいろな商品が溢れ、山で育った男の子は目を丸くします。でも、街の人達は自分達を「山ざる」と呼び、自分達が作った籠をばかにしていると知り、男の子は荒れた心で家に帰って来ます。

男の子が父さんと行く街は、ニューヨーク州のハドソン。今から100年以上前、ハドソンから程近いコロンビア郡の山間部に、籠を編みそれを売って暮らしを立てている人々がいました。街の人々は山に住む人達を「得体の知れない」人達として見ており、子供達は近づかないように言われていたそうです。芸術品のような籠を編むその人達のルーツや歴史は誰も知らず、籠を作る文化も今では絶えてしまったそうです。
他人のあざけりや見下す心に負けず、自分の仕事を黙々と続けていた人達が、いつまでも使える頑丈な籠を残した・・・というお話です。「風から学んだ言葉を、音にしてうたいあげる人がいる。詩をつくる人もいる。風はおれ達に籠を作る事を教えてくれたんだ。風は見ている。誰を信用出来るか、ちゃんと知っているんだ。」というビッグ・ジョーの言葉が胸を打ちます。バーバラ・クーニーの最後の絵本。

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ぼくの島

バーバラ・クーニー 作  かけがわ やすこ 訳P4210006
アメリカ合衆国の北、大西洋岸には、美しい入り江と小さな島がいくつもあります。そんな小さな島のひとつにティベッツ一家が移り住んできます。家も井戸も畑もみんな父さんが作り、母さんはたくさん子供を産み、男の子6人女の子6人の大所帯となります。賑やかで楽しい時はゆったりと過ぎて行きます。赤ちゃんだった末っ子のマサイスもだんだん大きくなり、お兄さん達にくっついて、畑仕事をしたり木を切ったり、魚をとりに行きます。たまご岩ではカモメの雛を拾って、育てます。成長した兄弟はやがて大きな船で遠くの海までまわり、マサイスは幸せな結婚をします。いろいろな所を航海しても、生まれ育った島が一番素晴らしいところであると思うマサイスは、島で家庭を持ちます。

ティベッツ島で暮らす4世代に渡る家族と海の物語。美しい島は、豊かで幸福な人生を過ごしたマサイスそのものに見えます。

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モーツァルトくん、あ・そ・ぼ!

ピーター・シス 作 きむらみか 訳P5050035
『プラハの3つの鍵』での緻密で幻想的で不気味で・・・の絵の作者がどんなモーツァルトを描いたのか、気になって読んでみました。きっとこういう子供時代で、生涯ずーーっと変わらなかったのでしょう。モーツァルト。生まれつきの天才で作曲家になった人は多いけれど、彼は「神童」だったのでしょうね。

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